
一応このブログ主は美容師です。今まであまり美容師についてあまり語っていませんが、ワタクシは非力な美容師です。で、美容室といえばパーマ屋さんというのが昔からの定義でしたが、今はパーマ離れが結構あり、むしろカラーの方が圧倒的に多いです。

でもどんなに時代が変わろうとも、美容師室からカットは無くならないでしょう。カットといえば、やはりハサミです。ハサミといえば…切れれば良いと感じますが、そこはホレ…ナニカと質感にこだわる人種が美容師であります。

ワタクシも美容師歴26年程ですので、イロイロなハサミを振り回してきました。値段も3万円程の安モノから20万円程の名前の通ったモノまでつかいました。安モノと高級モノの違いは、切れ味、切れ味の持続性、重さや形状のバランス、見た目のカッコよさなどです。基本切れ味はカミソリ並みに切れないと意味がないですし、切れ味が数人切っただけで鈍るようではダメです。使っているハサミが手に比べて大きすぎたり重かったりすると、腱鞘炎の原因になります。良いハサミは重さのバランスが良くて、ずっとカットしていても手首が疲れません。

見た目は思っているよりは重要で、ハサミを持つたびにワクワクする程の高級感、質感、ハサミ本来の機能美に沿った美しさは必要であります。美しい道具を使うことで道具に愛着を持ち、その道具を使ってお客さんの髪を切るコトは、そのお客さんを大事に扱い接することに繋がります。

しかし何事も斜め上に行く場合があるのが、美容師とその業界の特徴です。例えば、何故か道具であるハサミにストーンをあしらったり、無駄な彫刻を入れたりします。その需要ってあるのですか?ってハサミメーカーやディーラーに尋ねたりするのですが、意外にあるとのこと…。まぁワタクシはどちらかといえば職人タイプの美容師ですので、機能美に関係のない無駄な装飾はいらないのですが…。

美容師、理容師のハサミって奥が深いのです。この前テレビで見たのが、100歳越え!!の婆さんの理容師が、子供の頃から客で来ている80歳の爺さんの髪をカットしていた。全くスゲェとか言い様がない…。またそのハサミの切れること切れること…。手元もシャンとしてて危なげがないし。ワタクシもまだまだ小童ですわ…と感じた次第です。

今回の機材 PENTAX K-70 + smc PENTAX-DA★55mmF1.4 SDM / smc PENTAX-DA★200mmF2.8ED[IF] SDM / RICOH GR2

