
実はワタクシは4月に晴れて50歳になりました。ええ…不惑を超えて、天命を知らなきゃならないお年頃になりました。
で、このブログを楽しみにして見てもらっている皆様のお年頃はわかりませんが、ワタクシぐらいのお年頃の方なら、「うんうん」と肯いてくれると思うのですが…。それは……50歳ぐらいになると「生きるのがウンザリする事がある」という事です。

どうです?そんな思いしていませんか?もちろん男女差はあると思いますが、往々にしてニンゲンを50年もやっていると、大体のことを経験して、大体の成り行きが分かってきませんか?
酒を飲んでいる時は、朝は二日酔いでただシンドイだけで、昼は仕事、夕方から晩酌の事ばかり考え、夜は酒を飲んで頭をバグらしている…状態でしたから、生きることにウンザリする余裕がなかっただけで、むしろ酒を飲んで朝は死にたい程ブルーになっていて、夜は思考能力が半減していたので、それはそれで今以上にヤバイ状態だったと思います。

しかし断酒が続いていると、嫌が応にも先読みし過ぎて、解り切った結果をトレースすることが面倒臭くなり、結果について自信の無かった頃の時みたいにココロが騒ぐ事がないんですよね。まさしくウンザリするんです。

それは経験して、失敗する事がなくなったのでいい事ではないのか…とミンナはいうかも知れませんが、安心した結果が分かっているという事は、新しいチャレンジをするというモチベーションが沸きにくくなるという事です。

例えば、ワタクシの美容師の仕事でカットを例に取れば、「このラインで切っていけば最終的にはこのようなスタイルになる」というのは、お客さんの髪を見て触った時に分かってしまうのが、今のワタクシの現状だとすれば、「このラインを切って行っても大丈夫だろうか…切り過ぎではないか…イヤ…もう少し踏み込もう…ヤベ…やっちまったかな…」などと考えながら切っていたのは、ワカモノだった頃のワタクシです。

もちろんお客さんからすれば、今のワタクシにカットをしてもらった方が安心でしょう。色々な技術の引き出しもありますし、お客さんの求めに応じた提案もできます。しかしね…ワタクシからすれば、それらは全て予想の範囲内の技術で、何も目新しいことをしているわけではないのです。どれもこれもドキドキするようなことではないのですわ。

じゃあドキドキするために、突拍子のないカットスタイルをお客さんに提案してするのか…と言えば、それは全くの自殺行為であるのはわかります。だって、すでにワタクシの店には今のワタクシの技術のカラーがついていますので、そのカラーを気に入ってお客さんが来て下さっているのに、それとは違うことをやり始めるとサロン経営が成り立たなくなります。

一言で言えばマンネリ化しているのですね。ただそれは仕事上のことであっても、それだけで生きることにウンザリすることにはならないと思います。もう何なんでしょうね…このウンザリ感…。とりあえず気晴らしにカメラでも振り回して来ます。
今回の機材 PENTAX K-1 Mk2 + HD PENTAX D FA* 70-200mm F2.8 ED DC AW