
ワタクシは約27年間美容室を経営しています。つまり人生の半分以上が美容室を経営していたことになります。流石にここまで長きに渡って経営していると、ちょっと変わったお客さんに遭遇します。
訳の解らないクレームを言う人や、途方もない遠大な愚痴を言う人、アニメの主人公になりたい人など色々といました。今回はその中でも選りすぐりの3つの話をします。
①一年前のカットにクレームをつけに来た人
スタッフが、一年前の夏に初めて来店したお客さんにカットをしました。暑いのでしっかり目に髪をすいてくれと言うオーダーで、顎下ぐらいのボブベースでカットしました。で、その人が一年後に「すいたところが伸びなくて困っている」と言うクレームに来ました。その人が言うには、1年間すいた状態で髪が伸びなかった…とのことでした。
1年間髪が伸びないのなら、美容室ではなくて、病院に行くべきだと思いますし、日本人形だってたまに髪が伸びるのを、テレビの夏の怪談特集で見るぐらいです。ワタクシがクレーム担当に入ると余計に拗れて、メンドクサクナルとスタッフが思って、穏便に帰らせたみたいです。

②弁護士を紹介してくれませんか?と毎回お願いするお客さん
先祖代々の土地を近所の者に取られたので、裁判をするから良い弁護士を知りませんか?…と毎回カットの途中でお願いされます。また、近所の屋根から電磁波を送られていますから、電磁波をカットする帽子は売っていませんか?…と毎回パーマロットを巻いている時に聞かれます。この前、家の洗面台に置いている入れ歯を、家に忍び込んだ親戚が盗んだので、腕利きの刑事さんを紹介してください…と毛染めをしている時に毎回お願いされます。
ワタクシの担当のお客さんなので、施術中は適当に相槌を打っていますが、たまに隣の席に座った別のお客さんが、ビックリ&爆笑する事があるので、時々困っています。

③シャーになりたいオトコ
その男の人は入店するといきなり、「シャーにしてくれ」と言ってきました。ワタクシが???な顔をしていると、「ガンダムのシャーだよ。知らないのか?」と聞くので、「知っていますが、シャーは被り物してますから、髪型は判りませんね」とメンドクサイ客そうだから帰って貰おうとツレない返答すれば、「イヤ。Zガンダムのシャーだ」と言って、おもむろにバックからZガンダムのシャーが描かれているパンフレットを取り出して説明しようとします。

そこで説明を聞くのもメンドーなので、タマタマ側にいたスタッフの野田くんに、「担当よろしく」と言って投げました。哀れ野田くんは、一通りのZガンダムのシャーの説明を聞いて、そのお客さんを金髪にブリーチして仕上げました。ちょっとシャーとは違うけど…。。
今までのワタクシの美容師人生は、基本的に良いお客さんに恵まれていると思います。でもたまに変わりモノの人がいるのも事実ですし、クレーマーみたいな人もいます。自分の技術力や接客力がつけば、その様な人たちには、うまく対応出来たり、駆逐できる様になります。ただそこまでに上達するには、ある程度の経験と年数が必要です。今、接客で悩んでいる駆け出しの美容師は、頑張っていれば、良いお客さんはきっと付いてくれる事を信じて日々精進してもらいたいですね。
え?…メンドーな客はスタッフに投げてるって?…バレましたぁ?
今回は、noteの記事と同じ内容のものをアップしました。良かったら、noteにも寄ってみて下さいね。