
そもそもQ2のズミルックス28mmF1.7 ASPH. は、とても写りの良い評判のレンズですが、マニュアルフォーカスで撮っても、その素晴らしいヘリコイドの操作感を楽しめる事ができます。

ハッキリ言って、AFで撮るだけならQ2の良さを100%楽しんでいるとは言えません。そう…ライカレンズ自体が、MFで楽しめるように色々な工夫をしているのは、ライカ人として当然の作法として、知っておかなければいけないことの一つです。

またQ2自体は、28mmのレンズですがスイッチひとつで、35mm、50mm、75mmとクロップする事ができます。クロップといっても、所詮は後で任意にトリミングをすれば同じ事なのですが、その焦点距離で撮れるのは何気に便利ですし 、47M画素もあるので、クロップ(トリミング)耐性は十分でもあります。

ただ、これはQ2の素晴らしい特徴でもあり、ライカ人以外は「え?ちょっと不便」と思うことが、クロップをしてもEVFは28mmの画角のままで、35mm、50mm、75mmと、そのクロップに応じて(ブライト)フレームが出てきて、その枠の中がクロップのフレームになる事です。

これはライカといえば、レンジファインダーのLeica M型をイメージするように、レンジファインダー内に出るレンズの焦点距離に応じたブライトフレームが、そのままQ2の見えの良いEVFに出てくるイメージになります。その仕様は、きっとライカ人たちからは歓喜の声で迎えられるはずです。

しかしそれ以外の一般ピーポーは、「え?そのクロップのフレームごとにEVFいっぱいに画角を映し出してくれよ。そうじゃないと、75mmのクロップで撮る場合にフレームが小さすぎて不便だよ」という気持ちになるのではないでしょうか。

確かに35mm程度のクロップなら問題はなく、私もM型風なEVFにニヤつきを抑えられませんが、老眼が絶賛進行中でもある私の場合も、やはり75mmほどにクロップするとフレーミングをやりにくいですね。

特にジャスピンにこだわるなら、やはりクロップされたEVFを見て、AFでのピント合わせを確認したいのですが、28mmのままのEVFでは75mmのピント合わせは、対象被写体が小さくて確認しにくいです。

しかしね…そんな時こそMFに切り替えればピント面拡大機能が働いて、Q2の非常に見えの良いEyeRes EVFが、7M画素まで落ちた75mmのピント面を、クッキリと映し出してピント調整のサポートをしてくれます。

そう…つまり、50mm、75mmまでクロップするなら、MFで撮ればなんら問題なく、Q2の素晴らしい撮影体験を満喫できるというワケでござる。
とは言いながらも、実際に私はほとんど28mmのままで撮って、あまりクロップをしませんが、28mmでも積極的にMFで撮っています。

というか、Qシリーズを持っていて、MFで撮らないなんて、クリープを入れないコーヒーみたいなもので、味気ないし、勿体ないですね…あ、ちなみな私はコーヒはブラック派です。

そんなワケで、未だにQ2を使うたびにドキドキして、新しい撮影体験を楽しめています。ホント旅行には、Q2一台で十分に楽しめそうな予感です。
現在はコロナ禍が再び猛烈な勢いで広がっていますが、落ち着いたら京都にQ2一台で撮影旅行に行きたいですね。
今回の機材 Leica Q2