
曇天のメリハリのない撮影日…そんな時は、ちょっと個性的なフィルムシミュレーションで撮影をすればきっと楽しいはず…と思い、広島県 福山『神勝寺』でフィルムシミュレーションのブリーチバイパスで撮影をしました。

低い彩度が、厳かな雰囲気の神社仏閣にはマッチしますね。みんなが大好きのクラシッククロームとは、一味違う味のある画を叩き出してくれました。


曇天の白い空が、より階調が低く写っていますが、それ以上に石や木、金属やコンクリートの質感が、独特なザラリとした手触りを感じるように写っています。

もちろん、GF80の単焦点ならではの写りの良さも、GFX50SⅡのラージフォーマットの幅広いラチチュードも、扱いに難しいブリーチバイパスを表現できている要因になっていると思います。

まぁEVFで見る色味と、撮った後に背面モニターで見る色味が、全く違う別物になっているのですが、撮った写真の方がEVFで見たものよりは素晴らしいので、結果オーライです。

ここまで違うのなら、どうせRAWで撮ってLightroomでブリーチバイパスにレタッチするので、無理にカメラ設定をブリーチバイパスにしなくても良いのでしょうが、やっぱり臨場感を楽しみたいので、カメラの方も仕上げと同じフィルムシミュレーションに設定をしたいのですわ。

写りはサイコーに良いのに、撮影時の体験がライカカメラに比べてかなり官能性に劣るのは、とっても残念ですね。まぁラージフォーマットのカメラとしては、かなりなバーゲンプライスなのと、レンズの写りもモノ自体の質感も素晴らしいので、ちょっとぐらいEVFがプアなことは我慢しろや…と、いうことでしょう。

それにね…確かにラージフォーマットの写りを一度でも体験してしまうと、もう虜になってしまいます。よく「カメラなんてフルサイズで撮っても、マイクロフォーサーズで撮っても、いやいや最新のiPhoneで撮っても、写りは大して違わないね」と、ある意味カメラヲタを全否定する意見を聞くことがありますが、ここで断言します…ラージフォーマットは別物の写りでござる…。

その辺の雑草を撮っても、消火器を撮っても、iPhoneで撮るものとは別の何かになっています。ただボケが大きく出るだけではなく、絶対的なモノとしての質感を感じる写りになっています。

そして、その質感はただ目で見るだけよりも、より深度深く、より深い位置までの観察を可能とする程の写りです。
そんな写りをするカメラとレンズに出合ったら、少々EVFがアレだとしても全然問題ではありません。

よくよく考えると、ラージフォーマットで撮った画と同じ色や解像度でEVFを映すと、かなりのコストがかかってしまうでしょう。その辺りは、少なくとももう2世代以上先のGFXにならないと、(ラージフォーマットの)写りと完全にシンクロしたEVFになるのは難しいのではないでしょうか。

まぁ何にせよ…伸び代のあるカメラがあるのは、カメラヲタとしても喜ばしいコトです。ただその時まで、余計なモノを買わずに、資金が底をつかないように気をつけたいものですな…。
今回の機材 FUJI GFX50SⅡ + GF80mmF1.7 R WR